S&P500を40年間積立てたら
Key(ケイ):@kakeyforwardです
長期積立投資は資産形成するうえで有効な手法のひとつです
長期に投資する事でリターンのばらつき=リスクを抑え、複利の効果を最大限活かす事ができるからです
多くの投資家がベンチマークとする米国株価主要指数であるS&P500
連動するETFや投資信託を購入している方も多いと思います
そのS&P500その過去200年の平均リターンは7%程度と言われています
直近40年でもドットコムバブルやリーマンショックがありながらも平均リターンは9.94%になります
こういった数字を見てS&P500に連動する金融商品に投資すれば複利で10%で運用でき何年後には○万円という記事や下図の様なグラフを見る事がありますが間違った理解です
実際にこのような指数関数的に増える事はありません
実際にはリターンは毎年変動して1年目に10%減り2年目に10%増えた場合、算術平均では0%になりますが、元本は99%に毀損しています
幾何平均の問題を考えるまでもなく価格変動する金融商品を単純複利で計算された指数関数的なグラフをそのまま鵜呑みにしてはいけないのです
では実際の場合はどうなるのか過去のS&P500の特定の場合の資産増減を簡単に試算してみました
S&P500を40年間積立てる
単純化する為に各種手数料やドルコスト平均法などは考えずリターンのみで試算します
- 毎年年初100万円買付け
- 為替、買付け手数料は考慮せず
- 40年平均リターンは9.94%
単純複利の場合
冒頭のグラフが9.94%の単純複利になります
1年目終了時点では109.94万円、2年目には100万円追加投資し209.94万円の9.94%で230.8万円になる計算です
これを40年繰り返すとなんと元本4,000万円(100万円×40年)が11.97倍の約4.79億円になります。これが複利の力です
実際の40年間
しかし株価は増減します
実際には過去の平均リターンの単純複利で増えるわけではありません
同条件
- 毎年年初100万円買付け
- 為替、買付け手数料は考慮せず
- 実際の年度リターンで計算
スタートの1980年のリターンは25.77%でした。
平均リターンは9・94%の場合は1年後に109.94万円になる計算ですが、1980年年終了時点で125.77万円になる計算です
これを2019年11月まで続けた結果は以下のグラフのようになります
リターン値はhttps://jp.investing.com/より
ドットコムバブル時こそ単純複利計算を上回りますが、以降は上回ることはありません
リーマンショックの下落の影響も大きいです
最終的は元本(4,000万円)に対して7.18倍の約2.87億円に増える事になります
単純平均リターンで計算したケースに対して約60%に留まっています
結構な差が付く結果になりました
S&P500を40年間積立てたらまとめ
- 単純平均リターンのケース 11.97倍
- 実際リターンのケース 7.18倍
- 実際リターンでは単純平均リターンの60%程度にとどまる
単純複利での計算はまさに皮算用以外の何でもありません
しかしそれでも実際の過去40年のケースで元本が7.2倍にもなっており十分な結果です
S&P500に投資するだけでこれだけの成果を得られるのですから
また1年目の1980年のスタートダッシュがよかった事もあり元本を割る事は一度もありませんでしたがこれは単なるラッキーと捉える方がいいでしょう
期間によっては上回る場合もあるものの平均リターンによる単純複利は期待しすぎだと思いますが、どのタイミングでも15年保有すればプラスリターンが期待できるのがS&P500です
40年という長期投資なら元本を下回る可能性は低く十分な投資成果を期待できます。
※実際は為替の変動や各種手数料も考慮する必要があります
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