株式と債券の組み合わせによるリスク低減作は定番の投資手法でVTI:全米株式ETFとTLT:米国20年超長期債券ETF やBLV:米国長期債券ETFなどで検証してきました
米国株式での検証結果では一定量うまく組み合わせる事で下落時のクッションとなるので長期的なリターンだけを追求したが為に暴落時に資産が大きく目減りすることによる不安など心理的リスク低減になる事は投資からの撤退という最大のリスクへの対応になると考えています。
世界分散投資にあたり新興国株式への投資を行っているわけですが新興国アセットの中でも同じように株式と債券を組み合わせてリスク低減できないか検討してみます
VWO:新興国株式ETFと新興国債券ETFでリスク低減検討
VWO:新興国株式ETFとVWOB:新興国債券ETFで検証しようと思いましたがVWOBは設定が2013年とまだ日が浅いので、同様に新興国債券に投資するETFのEMB:iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETFで検証を進めます
EMB:iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF
経費率
海外ETFとしては0.4%とやや高めです
組入れ発行体
トルコ、アルゼンチン、フィリピン、ロシア、コロンビアといった国々が並びます。最も保有比率の高いトルコでも4%以下と幅広く分散されています。デュレーションは7年程度と中期長期的といった年数になっています
新興国株式ー債券の検討
新興国株式ー債券の最適比率
最適割合をEfficient Frontierで計算したところ、 まさかの新興国債券ETF100%という結果がでてしまいましたのでJPモルガンの2018年の各アセットの見通しのデータを使って再度計算することにします
期待リターン | リスク | 相関 | |
新興国株式 | 6.5 | 23.75 | 0.74 |
新興国債券 | 3.75 | 13.5 |
念のため相関値計算ツールAsset Correlationsでも確認します。概ね同じ数値が確認できます。株式-債券の割にはかなり相関が高めという結果が出ました
それらの数値を過去のデータから比率算出するいつものツールではなく想定期待リターンからEfficient Frontier Forecastに入力し算出してみます
およそ株式=6:債券=4という定番に近い比率が得られたのでこの割合での過去のチャートを見てみます
リターンデータとチャート
Portfolio 1:VWO:新興国株式ETF
Portfolio 2:EMB:新興国債券ETF
Portfolio 3 :VWO=6:EMB=4
Benchmark:S&P500Index
2012年~2015年は米国量的緩和縮小の影響により新興国株式の伸び悩みもありトータルリターンはさえません
但し新興国株式の分配金利回りは1.5%以上、新興国債券ETFは分配金利回りが4.5%程度ある為、配当金再投資という条件なら以下のようにそれなりによいパフォーマンスになります
配当再投資でのリターンとチャート
分配金推移
新興国株式ETFと新興国債券ETF検討まとめ
- 新興国株式と新興国債券が逆相関になっていない為、リスク低減にならない
- 新興国株式が優れない期間の為、単純に判断できない
- 新興国債券の分配金4.5%は魅力
- 新興国債券において各国デフォルトは不安だが1カ国の比率は4%以下
米国や先進国のような株式-債券のリスク低減効果の結果が出ませんでした。新興国債券ETF自体は各国デフォルトが心配ですが1カ国の比率は4%以下と広く分散されている中で分配金4.5%は魅力的です。ただし分配金だけなら同等の経費率のPFF:優先株債券ETFなどの選択肢もありますので現時点で無理して新興国債券ETFを購入する必要性はないと判断になるかなと思います。現状割安感があり投資妙味がある新興国株式が上昇を期待できつつあるので時期をみてまた検討してみたいと思います
応援ぽちっといただけるとうれしいです
関連記事です