投資理論
私がほそぼそと株式投資を始めたのは十数年前ですが、その頃は
株式取引 = 安く買って高く売る = チャートで安値、買値を見極める
みたいに思っていました。これは一つの真理であると思いますが、そもそもその安いのか高いのかを判断する為に様々な指標が乱立し、市場心理も相まって結局価格の判断などできなくなってしまうケースのが多いのではないでしょうか
そして投資の世界には多く投資理論があります。そこそこ投資経験は長いものの投資理論に疎い私も少しは投資理論について知っていこうというシリーズです
(ええ。多分シリーズです)
1回目はランダム・ウォーク理論です
ランダム・ウォーク理論
「基本的に株価の予測はできない」という考えに基づく理論です
1952年、シカゴ大学の学生だったハリー・マーコウィッツ氏が博士論文のテーマに株式を選び
「株価の動きは、ルーレットやサイコロのように、確率論的にランダムに決まる」
と結論づけたのを祖とする(諸説あり)ランダムウォーク理論とは以下のようなものです
株価の値動きは、どの時点においても長期的にも短期的にも「上昇と下降の可能性」がほぼ同じであり独立した事象であるから、過去のトレンドやデータによって将来の値動きを予測することは不可能であるとする理論
ランダムな運動として有名なものに「ブラウン運動」があります
19世紀のイギリスの植物学者ロバート・ブラウンは、花粉が溶媒中で不規則)に動く現象に気づきました。後にこの運動は、熱運動による物理現象であることを、かの有名なアインシュタインによって証明されます。マーコウィッツ氏は株価の動きもこのブラウン運動と同じようなふるまいをするのではないかと推論したのです
マーコウィッツ氏はその後「資産形成の安全性を高めるための一般理論形成」という経済学への貢献で1990年ノーベル経済学賞を受賞しています。受賞コメントでは
賞金は自らが体系化した理論で資産運用を実施したい
と語ったそうですがその結果どうなったかを知りたいですね
結局のところ、株価がランダムに動くのならチャートやファンダメンタルズは役に立たないというのは極論ですが、 「相場はランダムに動く」のなら「インデックスファンドへの投資がベスト」と位置づけたインデックス投資家のバイブルがこちらになります
参考サイト
AIによる株価予測で変わるランダムウォーク
但し近年のAIの急激な進化によってこの状況も変わるのかもしれません。 AIによる株価予測はすでに現実のもので、たとえば大和証券は以下のようなサービスを行っています
人工知能(AI)による株価予測モデルを用いた銘柄情報の提供について【2017年11月7日提供開始予定】 | 大和証券
このように理論だけでなく科学技術の発展も株価形成に影響を与えるわけですからそうい言う意味でもランダムウォークは続くのかもしれませんね
おまけ
最先端を行く現代ポークフォリオ理論はこちら