米国株式と全世界株式を比較
全世界株式か?全米株式か?
インデックス投資を行う場合、どのアセットクラスにどの比率で投資するかは各人の状況においてそれぞれのリスク許容度で決まってきます。
株式か債券か先進国か新興国かを、どのような割合で選定するかは個々人の判断の分かれ、その組合せであるアセットアロケーションはまさに千差万別で王道はあっても正解はありません。
株式だけをとってみた場合も同様でよく言われるのが米国株式のみか?全世界株式か?で、よく議論されますがどちらが投資先として優れているのでしょうか?
特に2017年より販売が始まった楽天・全世界株式インデックス・ファンド(通称:楽天VT)および楽天VTI(通称:楽天・全米株式インデックス・ファンド )により一気にこれらのアセットクラスへの投資の難易度も下がりました
その全米株式のみと全世界株式の各アセットクラスを比較してみます
全米株式のみと全世界株式の各アセットクラスを比較
Portfoli1:全米株式クラス
Portfoli2:全世界(米国除く)株式クラス
※米国を除く全世界なのでVTとは異なります
30年比較チャート
全米株式と世界株式(米国除く)の1988年からの30年比較チャートです
1988年からすぐに全米株式クラスがパフォーマンスを示しはじめ、2018年時点で世界株式(米国除く)とは実に5倍もの開きがあります。
このチャートを見る限りは全米株式の圧倒的優位性が見て取れます
とくに2008~2009年頃のリーマンショックの大暴落以降の回復・上昇過程においてその差が顕著です。
このチャートを見れば米国株の優位性に納得する人も多いと思います
もっともこれは全世界株式の構成が歴史上類を見ない割高な状態だったバブル期の日本株を多く含んでいるからです。
1988年といえばそのバブル崩壊直前の割高な状態です。ここから比較している為、このような結果になってると言え、日本株を除けばここまでの差になりません
20年比較チャート
全米株式と世界株式(米国除く)の1998年からの20年比較チャートです
当時は米国日本ともITバブルに沸きます。日本はバブル崩壊後の失われた10年を経てなお低迷した時期です。
このチャートでは少し様相が変わり、2012年までは拮抗していた事がわかります。リーマンショック前の2006年頃は
これからは米国に代わって中国、インドなど新興国が台頭する
と喧伝され株価も著しく上昇し全世界株式が米国株式より優位な状況にありました。新興国だけを抜き出すともっと顕著になります
しかし米国に端を発したリーマンショックで逆に新興国の株価のが大きく急落。2009年には同等の値となります。
それでもリーマンショックからの回復も新興国のが早く2012年頃までは優位を保っていました。全米株式のパフォーマンスが上回るのは2013年ごろからです
2013年単年での新興国株価指数がマイナスとなった事で差が広がった事が要因です。その後は2016年こそ全世界株式が世界株式のリターンに上回ったもののその差は埋めきれず2018年現在に至っています
20年チャートでみると2013年を除けば世界株式のリターンが全米株式を上回る事もあり決定的な差はなかった事が読み取れます。
2017年米国株式は大きく伸びましたが実は米国以外の全世界のがリターンは大きかったのです。
少なくとも2012年の段階であればここまで米国株式が差をつけると思っていた人は少ないのではないでしょうか?
現在のところPER、CAPEなど各種指標では米国株式の割高感もあり、今年2018年2月のようにキッカケでひとつで急落する事もあり今後も予断は許しません。
暴落はなくともしばらく調整が続く可能性も十分あります
VTと比較
Portfoli1:全米株式クラス
Portfoli2:全世界(米国除く)株式クラス
VT:トータル・ワールド・ストックETF
VT:バンガードトータル・ワールド・ストックETFとの設定来からの比較チャートです
先ほどの全米株式と世界株式(米国除く)を時価総額加重平均で組み合わせたようなETFであるVT:トータル・ワールド・ストックETFとも比較しました。
米国株式割合が概ね50%程度なので当然ながらほぼ中間の値を取ります。VTの設定された2008年以降だけを見ても米国株式が優位です。
わずか10年でこれだけの差がつくとなると米国株偏重な意見が大きく聞かれるのも納得です。
但し、あくまでも過去のデータであり当然今後はどうなるかはわかりません。
個人的には米国が世界経済を牽引していく事に疑いはありませんが多少調整が続く可能性も考慮しておきたいと思います
米国株式と全世界株式を比較まとめ
- 30年で見ると米国株式が圧倒的にパフォーマンスがよい ※
- 20年で見ても優位性は変わらないが2013年を除くと大差ない
- 直近2017年単年では米国以外のリターンが大きかった
※1988年時点の世界株式においてバブル期ピークに近いの割高な日本株を多く含んでしまう為、その後のパフォーマンスへの悪影響が大きかったようです
やはり世界経済の中心は米国です。グローバルに展開する革新企業群を多く抱える経済力、軍事力、世界を動かす政治力。どれをとってもやはりNO1です。また、先進国でありながら人口増加しています
しかしモメンタム的にはそろそろ割高感のある米国株からのシフトが実は始まっているのかもしれません。
相対的に新興国の割安感も魅力的ですが、あまり考えずに投資するならVT、楽天VTでも長期的には十分なリターンを得られると考えています
個人的には米国株比率が高いので必要に応じてバランス調整を検討したいと思います
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