シラーPER:CAPE
株価の割安、割高を示すバフェット指数は2018年時点で高水準で推移しています
もうひとつの代表的な指数であるシラーPER(通称CAPEレシオ)も確認してみます
通称CAPEと呼ばれるシラーPERはITバブルの崩壊やサブプライム危機へ警鐘を鳴らしたことで知られ、2013年にノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が考案した指数です
シラーPERは過去10年間の1株あたり純利益の平均値をインフレ率で調整した実質純利益でPER(株価収益率)を計算するものです。
シラーPER =
現在の株価 ÷ 過去10年間1株あたり純利益平均値(インフレ率調整済)
2018年8月時点のCAPEの値を見ていきます
各国のCAPE
下記のサイトで各国のCAPEを確認できます
各項目は以下のとおりです
CAPE:シラーPER
PE (Price-Earnings-Ratio)=PER:株価収益率
PC (Price-Cashflow-Ratio)=PCR:株価キャッシュフロー倍率
PB (Price-Book-Ratio)=PBR:株価純資産倍率
PS (Price-Sales-Ratio)=PSR:株価売上高倍率
DY (Dividend-Yield) = 配当利回り
出典:StarCapital AG - Disclaimer ※2018年6月時点
CAPEは一般的に25倍を超えると割高とされます
世界平均(WORLD AC)は23.9倍に対して米国は30.3倍、日本は27倍と割高な状態です。この状態でどのような投資スタンスで望むかは各個人の判断ですが、インデックス積立以外は積極的投資を躊躇してしまいます
CAPEの降順でも確認してみます
出典:StarCapital AG - Disclaimer ※2018年6月時点
ロシアは6.3と非常に割安な状態です。この表からは割愛していますが新興国も16.2倍と割安な状態です。VWO:FTSE・エマージング・マーケッツETFなどは仕込み時かもしれません。同様にヨーロッパ先進国も18.8倍です。こちらもVGK:バンガード・FTSE・ヨーロッパETFの購入を検討したいところです
S&P500のCAPE
米国S&P500の過去のCAPEチャートです
出典:multpl.com/Shiller PE Ratio
過去の統計値は以下のとおりです
- 平均値: 16.88
- 中央値: 16.16
- 最小値: 4.78 (1920年12月)
- 最大値: 44.19 (1999年12月)
S&P500は割高とされる25倍を2014年6月に超え、一時やや下回りながらも上昇を続け2018年8月現在でも33倍を超えたままです。
これは世界大恐慌のブラックチューズデーをしのいでドットコムバブルに次ぐ2番目に高い水準です
CAPEとリターンの関係
出典:StarCapital AG:CAPE: Predicting Stock Market Returns
上のグラフは全世界、日本、ドイツ、米国のCAPEとリターンの相関グラフです。1979年~2013年までと少し古いですが基本はこのような関係性となるようです。
CAPE30ぐらいでの実績リターンは2%程度と読む事ができます。
右下の赤丸は全て日本のバブル期のものでCAPEが40倍ではことごとくマイナスリターンになる事が分かります
日経平均がいまだにバブルの高値に程遠い事を考えると納得できるグラフです
このグラフを見る限りはCAPE35倍ぐらいがプラスリターンぎりぎりのラインです。S&P500はこの水準に近づきつつあります
CAPEまとめ
- 米国S&P500のCAPEは30倍を超えてかなり割高と言われる水準
- 日本も25倍を超えやや割高
- ロシア、新興国、ヨーロッパは割安。特にロシアは超割安
- CAPEとリターンの相関を見る限り米国の30倍は厳しい状況
S&P500のCAPEを見た場合、過去20倍以上の状況から何度も暴落しています。
バフェット指数と照らし合わせてみても2015年以降の米国市場の状況はボーナスステージとも言える特殊な状況なのかもしれません。
結局のところ個別株にしろインデックスにしろ株や割安の時に買い、割高の時に買うのが定石です。
個別株だと需給や短期的なニュースなどの影響も大きく、割安、割高の判断も難しいですが、各国インデックスや地域インデックス、そして世界インデックス投資において少しでもリターンを追及する、このCAPEで判断するのもひとつの方法です
資産形成のコアである世界分散のインデックス積立投資は淡々と続けつつ、超過リターンを狙うべく購入済みの新興国ETF:VWOの買い増しや、配当利回りもよい欧州ETF:VGKへの投資なども検討したいところです。
ひとまず米国市場への投資はしっかりリスク管理しながら見極めたいところです
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CAPEでは割安なヨーロッパETF、新興国ETFに関する記事です