前回の米国ETF関連記事は全米株式に幅広く投資するVTI:バンガード・トータル・ストック・マーケットETFでした
VTI以外のETFではVT:バンガード・トータル・ワールド・ストックETFや米国セクターETFに投資していますが、これではかなり米国に偏ってしまいます。そこで以前から世界分散のバランス調整として検討しているのが新興国へ投資するバンガードVWO: FTSE・エマージング・マーケッツETFです
VWO:FTSE・エマージング・マーケッツETF
ベンチマーク
ブラジル、ロシア、インド、台湾、中国、南アフリカなど新興国市場の大型株・中型株・小型株を網羅した時価総額加重インデックスであるFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップをベンチマークとします
経費率
0.14%
全世界株式のVTIや米国セクターETFの0.10%と比較してもやや高い経費率となっていますが許容範囲でしょう
国別構成比率
2018年3月31日時点
中国1国で1/3を占めます。次いで台湾、インドと続きます。上位3国で半分を占める事になります。かつてBRIC’sともてはやされたブラジル、ロシアなどはもちろん含まれますが韓国が含まれないのがこのインデックスの特徴です。
保有上位銘柄
1位のTencent:テンセトントが香港取引所に上場する中国の世界最大のゲーム会社。インターネットサービス、SNSも手掛けメッセンジャーアプリWeChatは中国国内のみならず世界展開しています
2位のSMC:台湾セミコンダクターマニュファクチャリング(NYSEティッカー:TSM)は台湾の世界最大の半導体製造ファウンダリ。アップルなど製造ラインを持たない企業からの受託生産が主な事業としている企業です
3位以下には中国のネット企業Alibaba:アリババ、南アフリカのネット企業Naspers:ナスパーズなどが続きます
チャートおよびリターン
設定された2005年以降のチャートです。ベンチマークはS&P500です
配当再投資条件です
設定された2005年からのチャートおよびリターンです
2008年のリーマンショック前の急騰とそこからの暴落が印象的です。ただしそこからの戻りも早く2009年単年のリターンは70%を超えます。このボラティリティの高さが新興国株式の特徴と言えます。その後2014年まではS&P500を上回っていましたが2015年の新興国が軟調だった為、好調なS&P500を下回り。そのまま今に至っています。
ただし2016年起点としてた直近のグラフをみると2,3年の米国株式の好調さに隠れている感もありますが、VWO: FTSE・エマージング・マーケッツETFも米国と大差ないリターンを得ている事がわかります
2016年~
割安なPER
ウィズダムツリーブログより
ETFのフローから見た市場:エマージング市場に向かうマネー| ウィズダムツリー・ジャパン
1年前のものなりますがS&P500、MSCIEM(MSCI Emerging Markets Index)とユーロ50、日経平均の各PERを示したグラフです
※MSCIEMはVWO採用インデックスとは異なる新興国インデックスです
このグラフを見る限り、2017年時点時点で15倍程度と割安に思えます。それだけなら2014年にPER10倍超とさらに割安な時期もありましたが、もしその時期に新興国株式に投資をしたとしても2%以下のリターンしか得られません。その間米国株式は9%のリターンを得られた事になりますので、結果論だけで言えば割高と思われた米国株式に投資した方が正解だったわけです。割安だからと必ずしも上昇するわけでもないのが難しいところです
2018年時点6月時点でもVWOのPERは16倍低度と先進国に比べればまだ割安と言えますので投資妙味は十分ありそうです
まとめ
- VWO:FTSE・エマージング・マーケッツETFは新興国へ幅広く投資できる
- 構成上位中国、台湾、インドで半分を占める
- 韓国は含まれない
- 分配金は約2.3%低度
VTでは10%程度しか投資できない新興国へ幅広く投資できます。米国株式の割高感、長期金利上昇からリスクマネーが還流する可能性もあり、また新興国の成長そのものも魅力的です。
個人的には私自身売却済みのものもありますが2004年ごろから同じ期待で中国、インド、ブラジルなどの各投資信託を購入した事もあり新興国投資には魅力を感じています。当時は費用も高かったですが現在では0.14%の経費率でこれらの新興国へ幅広く投資できるのVWOを購入予定です
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世界分散投資について書いています
新興国のインドに関しての記事も書いています