人生で最大の買い物といえば住宅です
持家か賃貸かは地域や家庭の状況によって意見が分かれるところですが、特に地方では一戸建て持家信仰がまだまだ根強いのではないでしょうか?
持家でも戸建派とマンション派と別れる事になると思いますが、どちらにしろ大半の方が住宅ローンを組むことになると思います
少しでも早く返したいと思われがちな住宅ローンですが、数千万円の金額をこれだけの低金利で借りられるわけですから無理に返さない方いいとも言われます
特に投資経験のある方なら、返済資金で運用した方がお得と考える方も多いはず
実際のところはどうなのでしょう?
「2010年~住宅ローンの旅」に出た我が家の場合に当てはめて検討してみました
我が家の住宅ローン借入れ状況
私自身2010年に新築一戸建注文住宅を建築しました
そんな我が家の住宅ローンは長期にわたって返済金額が固定という安心を優先した結果
フラット35
を採用。省エネルギー性、耐震性などの基準を満たすと金利優遇されるフラット35Sで住宅メーカー推奨の日本住宅ローンと契約しました
契約時の基準金利は2.15%
当初は1%マイナスの金利優遇。10年目以降~20年目までは0.3%マイナスの金利優遇。20年目以降は基準金利での借入れです
フラット35の基準金利の推移です
データ参考元:【フラット35】の金利推移 | ARUHI住宅ローン | アルヒ株式会社
フラット35金利推移。赤丸のところで借入れ。当時は最低金利水準・・・と思っていましたが
執筆中の2017年12月時点では基準金利が1.06%。ここからフラット35Sで0.25%優遇。子育て世帯なら、当初5年間金利が0.25%優遇。あわせて0.5%優遇されると当初5年の金利は
0.56%
5年目以降も0.81%。10年目以降も基準金利1.06%が返済完了まで固定と安心して家計管理する事ができます。なんともお得ですね。うらやましい限りです
参考:フラット35、子育て世帯は金利優遇へ - 住宅ローンはどれだけお得になるの? | マイナビニュース
借換えも検討すべきですが、まず最初に繰上げ返済の計算をしてみます
繰り上げ返済の場合
我が家の住宅ローンは
借入額は2,000万円。返済期期間は30年
元利均等返済。ボーナス増額は無しです
先ほどの借入れ金利で返済すると支払い総額は
¥24,869,399-
利息総額は480万円以上。借入額の24%以上もの利息を払うことになります
約1%の金利負担でも30年もの長期だとかなりの利息負担です
(ちなみに銀行カードローンを100万円12%だと4年借りただけで利息負担率は26.4% コワイですね・・・)
元利均等返済では返済額が一定というメリットがありますが、借入れ当初の返済金の内訳に占める利息の割合が高く初期の繰上げ返済の効果が大きくなります
参考:元利均等返済と元金均等返済とは?:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】
繰上げ返済は通常は少しでも早く返済してこの利息分支払いをした方がお得です
繰上げ返済シミュレーション
例えば500万円を繰上げ返済する例を考えてみます
住宅ローン借入れ、繰上げ返済シミュレーションを行います
を5年目で繰上げ返済する場合は、利息2,165,320円分の削減効果がありますが、一方、10年目に繰上げ返済する場合は利息1,822,582円分の削減効果となります
5年目で繰上げ返済する方が約34.3万円もお得です
住宅ローン減税を考慮すべき
しかしながら、話をややこしくするのが住宅借入金等特別控除
通称:住宅ローン控除
です
住宅ローンの年末借入残額の1.0%(一部1.2%の場合も)が、所得税(差し引けない分はさらに住民税から)から税額控除されるのが住宅ローン減税です
住宅ローン減税の減額期間が借入れ当初の10年の為、ローン残額が減ればこの控除額も減る為、この分を考慮する必要があります
先ほどの表にこの住宅ローン減税分を考慮すると以下のとおり。
総支払い額の差額はわずか36,041円となります
それでも3万以上もお得なら繰上げした方がと思う方もいると思います
しかし繰上げ返済に手数料がかかる場合もありますし、それ以上に5年でこの金額なら運用に回した方がお得です
1%以下の金利なら運用に回す方がお得
例えば500万円を0.3%で5年間複利で運用できれば75,451円、税引き後でも約6万円の利息を手に入れる事ができます
参考:複利計算(元利合計) - 高精度計算サイト:カシオ計算機
超低金利時代ですが オリックス銀行の「eダイレクト定期預金:スーパー定期300お預入金額300万円以上」なら利率は0.3%(2017年12月現在)
元本保証でもぎりぎり達成できる水準です
よりリスクをとるならNISA枠で毎年100万ずつ比較的リスクの少ない公社債や国債に連動する投資信託などを購入する手段もあります。こちらなら非課税でさらに1~3%の年率リターンを期待できます
もちろん普通の株式投資信託でさらにリターンを期待するのもありです
私の場合、借入れ利率1.15%に対しローン残高の1.2%控除の為、わずかの差になりましたが、ここ数年の1%以下の超低金利で借入れしている場合は明らかにローン控除額が上回ります
1%以下の金利で借入れなら ローン控除の終わる10年間は繰上げ返済せずに運用に回す方がお得です
ただし所得税からの控除なので収入や、借入れ利率など個々のケースで変わってくるので個別にしっかりとシミュレーションした方がよさそうです
借り換えの場合
借り換えの場合も検討してみます
一般的に住宅ローンの借換えは
- ローン残高が1000万円以上
- 返済期間が残り10年以上
- 借り換えるローンとの金利差が1%以上
といわれています
以下の条件で借換えとします
住信SBI銀行の住宅ローン借り換えシミュレーションを行ってみました
借換え効果
結果は
1,125,363円
お得となりました
住宅ローン減税の控除を最大限に活用してからの借換えで純粋に得られる効果です
実際には住宅ローン減税終了を待つ事なく借り換えを実施して金利負担を下げても残額に応じて減税額が決まる為、同じ額を借換える場合でも有効のはずです
マイナス金利政策によって、ここ2年ほどは10年固定金利ですら1%前後、優遇金利によっては0.6~0.8%という超低金利です。借り換えない手はありません
ではなぜ私自身、借換えを実施していないかと言うと、まだ考えがまとまってないからです
特に当初は借換える場合金利差が1%以上がひっかり様子見ていました
「繰上げ、借換えをどう組み合わせ、どのタイミングで実行すべきか?」
「どれがベストな方法なのか?」
いろいろ考えすぎて、わらなくなってます
「案ずるよりは産むが安し」とはいいますが・・・
そうこうしていうちに住宅ローン減税はあと2年となりました
投資用連携用として口座のある住信SBI銀行を中心に借り換え検討中です