以前米国と米国除く全世界の比較した記事です。単純に比較するとその時の割高な地域を含むかどうかでその後のパフォーマンスに大きく影響する事がわかりました
特に30年前を起点にすると全世界株式では当時バブルだった超割高な日本株を多く含むことにより米国株式単独と比較した場合、大きく水をあけられてしまいます。日本を除く地域と米国を比較する価値がありそうなのでまずは世界の時価総額、GDP比で約2割を占める欧州株式と比較してみる事にします
対象となるETFはVGK:バンガード・FTSE・ヨーロッパETFです。ただし、その前に長くデータの取れるアセットクラスで米国株式と欧州株式を比較してみたいと思います
米国株式と欧州株式のアセット比較
Portfolio1:欧州株式
Portfolio2:米国株式
30年比較チャート
切り取る期間で結果は変わりますが特に欧州危機の懸念があった2010~2012年頃より特にパフォーマンスに差が出ています。その期間を除けば欧州株式もまずまずのリターンを得る事ができています。米国株の一本調子の右肩上がりが喧伝された2017年も実は欧州株式のがリターンは大きいです
欧州経済の成長率・PER
IMFによる欧州の実質GDP成長率はここ数年は約2%で推移しているものの2020年以降鈍化する傾向にあるようです
IMF - World Economic Outlook Databasesより
一昨年のものになりますが各地域のPERです。また全欧州株式の指標ではないので参考程度ですが、ここ2年ほどは割安感も出てきました。2018年6月現在の欧州株式のPERは13.8倍と更に割安になってきています
商品として選択する事になるのはVGK:バンガード・FTSE・ヨーロッパETFです。
VGK:バンガード・FTSE・ヨーロッパETF
欧州先進国の約1100の企業にまとめて投資できるETFです
経費率
0.10%です。バンガード社の地域別ETFは概ねのこの程度の経費率です
ベンチマーク
FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックスをベンチマークとしています
2013年3月26日まではMSCIヨーロッパ・インデックス、2015年9月30日まではFTSEディベロップド・ヨーロッパ・インデックスと変遷してきています
市場別構成と保有上位銘柄
2018年3月時点
英国が1/4以上を占めます。次いでフランス、ドイツ、スイスと続き、この上位4か国で70%以上になります。個別銘柄では高配当のエネルギー関連銘柄、Royal Dutch Shell (ロイヤルダッチシェル)。食品大手のスイスのnestle(ネスレ)他、当然ながらヨーロッパの名だたる企業が名を連ねます。このETFでひとつで欧州の主要国の約1100の企業にまとめて投資できます
チャートおよびリターン
ベンチマークはS&P500です
当然ながらアセット比較とほぼ同じ様なチャートになります。2010、2011年の欧州債務危機の影響もあり、特に2014年以降米国株式との差がでてしまっています
分配金
2018年6月時点では3.5%近くの分配金が期待できます。この割安と思われる状況でこの分配金なら投資妙味はありそうです
比較まとめ
- VGK:バンガード・FTSE・ヨーロッパETFについて調べました
- 欧州先進国を中心に1100銘柄にまとめて投資できます
- ここ最近は特に米国などに比べてかなり割安です
- 分配金は3.5%程度と魅力的
割高な米国株に対して割安なバリュエーションと言える欧州株は魅力的かもしれません。全米株式ETF、新興国株式VWOなどと組み合わせオリジナルの全世界株式ETFを構築するのも面白そうです。ユーロ内でPIGGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)の財政基盤の弱い債務過大国の問題が常に付きまとい、いつ噴出すかわからないのが難点です。またイギリスのユーロ離脱問題など欧州内の主要国も一枚岩ではないようです
経済成長率の鈍化は気になるところですが新興国との比較では安定していると考ええられますので、分配金含めこのバリュエーションなら投資妙味はありそうです。引き続き注視していきたいと思います
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投資は切り取る期間によって見え方が変わるので注意が必要です