ARCCは利回り10%の高配当のBDC
PFF以外にも低ベータの銘柄はあります。今回はETFではありませんが同様の低ベータ高配当銘柄について紹介します
BDC(Business Development Company)呼ばれる仕組みの企業、ARCC:Ares Capital Corporationです
ARCCは常時9%~10%程度の配当利回りが期待できます
配当利回り10%と言うと怪しく思われそうですが、至極まっとうな金融関連銘柄です
dividend.comより
ARCC:Ares Capital Corporation
ARCC:Ares Capital CorporationはBDC(Business Development Company)呼ばれ、例えば以下の様な特定の条件をもとに法人所得税を免除されるREITの企業版の様な仕組みの特殊な形態の企業です
- 利益の90%以上を配当する
- 資産の最低70%を法律で定めた適格投資対象に投資
BDC自体は1980年にリスクの高さから銀行からの融資を受けることが難しい中小及び新興企業への資金供給等を促す目的で制定されました
ベンチャーキャピタルのような役割を果たしていると言えばイメージはわきやすいかもしれません
このように中小、中堅企業への個々の融資にはリスクはありますが融資先を分散する事でリスクを軽減しています
またNADSDAQに上場しSECの管理下に置かれている為、一定のガバナンスは確保されていると言えるでしょう
ARCC:Ares Capital Corp.はその中でも最大規模を誇り、2位の企業の2倍程度の資金を運用しているBDCです
リターンデータおよびチャート
チャート
上場した2004年以降のチャートです
概ね13~17ドル付近で推移していますが、リーマンショックでは20ドルから3ドル台まで急落しており、下落幅は実に82%です。
しかし、その後しっかり回復しており2009年には単年で実に150%近いリターンを記録しています。急落をうまく捉えればキャピタルゲインもしっかり得られます。
さらにこの時に買い向かう事が出来て、仮に4ドルで購入できれば実に38%という脅威の超高配当利回りを得る事ができます。
これは極端としても2016年のチャイナショック時の13ドルでも11%以上の配当利回りとなります。
特に株価こそ大幅に下落していますが、リーマンショックを乗り切った事は評価できます
配当金再投資チャート
このような超高配当な利回りを活かして配当再投資すると相当のリターンを得られます
※税金、手数料は考慮していません
2005年起点では、結果的にS&P500を上回るリターンを得られる事になります。
リーマンショックからの回復も早く、この間も減配こそしていますが20%減配にとどめています。
実際には税金、手数料を考慮する必要があるものの、このように配当を再投資する事で市場平均を上回る事ができる結果を得ることができます
ARCC配当金推移
ARCCに投資するに当たって最も重要な配当金の推移です
リーマンショック後の2009年は金融危機の影響も受け減配。2010年。2013、2016年にもわずかながら減配していますが、1株あたり1.5ドル前後を維持しています
すでに高水準の為、増配は望めませんが比較的安定しています
配当金支払いは四半期ごととなります
ARCCまとめ
- BDCと言う特殊な企業形態の上場銘柄
- 平時は配当利回り8~10%が見込める低ベータ銘柄
- 値下がり時にうまく仕込めば10%以上の配当利回りも期待できる
- 金融危機があると株価は80%以上減の可能性も
- 通常のリセッション(景気後退)時の値動きが未知数
ARCC:Ares Capital Corp.は配当利回り8~10%の見込める高配当銘柄です。
平時こそ値動きも大きくありませんが基本的には金融業となる為、景気敏感セクターであり金利上昇局面では安定的な債券などに対して相対的な価値は下がります
また金融危機では融資先の破綻などの可能性もあり大幅な下落が予想されます。
通常のリセッションでの動きは未知数でありリスクもあります。
ただし金融関連銘柄でありながら、100年に一度と言われたリーマンショックを乗り切っているという実績もあるわけで、景気の底付近でうまく仕込めれば高利回りなインカムゲインと景気回復時のリバウンドを両取りできる可能性もあるクセの強い銘柄です
高配当戦略の一環としてPFFと合わせてウォッチ、検討していきたいと思います
ARCC:Ares Capital Corp.はNADSDAQ上場です。日本のネット証券会社ではマネックス証券、楽天証券で購入可能です。
3大ネット証券のうちSBI証券だけ取扱が無いので注意です
※2018年11月時点
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こちらも似たような値動きです。
低ベータ高配当ETF:PFF
リセッション時に備えたディフェンシブセクターETF